第3部 先進事例紹介 (香川県)
アダプト・プログラム・シンポジウム2011
第3部
アダプト・プログラムの先進事例紹介
① 香川県
「香川さわやかロード事業(アダプト・ロード・プログラム)」
香川県土木部道路課 田辺 謙二 氏
香川さわやかロード事業は、道路の環境美化のボランティア活動に対する支援事業です。10月1日現在で、県内の全市町144の道路愛護団体を認定しています。その内訳は、自治会・老人会が55、ボランティア団体が54、企業が21、学校が5となっています。年延べ参加者数は1万4,000人、構成員数は6,700人、活動距離延長は163kmとなっており、県が管理する道路延長の9%を占めています。
団体が除草・草刈り・清掃・緑化作業を行い、市町はごみ袋の支給とごみの処理を行っています。県の土木事務所は用具、花の苗・肥料などの緑化資材、「さわやかロードの作業中」という作業警告板、作業用ベスト、救急箱を支給しています。また傷害保険・賠償責任保険には県が加入し、活動団体名の表示板も設置しています。
さわやかロードは創設10年ですが、活動歴46年という団体があります。1964年に活動を始めたので一九六四会と名付けられた団体で、小豆島町のモミジの名所、寒霞渓に上る県道沿いにモミジを植え、その剪定や下草刈り、清掃活動を行っています。また、活動が10kmと長い距離におよぶ団体もあります。高松市の八栗ライオンズクラブという団体で、平成16年から県道の余幅にアジサイを植え、その管理と道路清掃を行っています。地域ではアジサイロードとして親しまれています。年間活動参加者数が多く、年間720人というのが観音寺中央高校で、各学年が年に2回ずつ授業で清掃活動をしています。この高校は春の高校野球選抜で初出場して全国制覇をしたことがある県立高校です。年間活動回数の多い団体は、月2回、年24回の団体があります。西日本高速道路サービス四国株式会社で、毎月第1、第3水曜日の朝8時から9時まで清掃活動を行っています。
道路の清掃美化は延長が長いこともあり、行政だけでは限界があり地域住民の協力が必要です。ボランティア活動の気運の高まりを受け、平成11年頃県内の善通寺市や近隣の広島県などで道路の里親制度が創設され、当時香川県において施策目標としていた美しくうるおいのある県土づくりにも有益だということで創設されたのがはじまりです。
それまで既に清掃活動を行って、大臣表彰を受賞した団体など8団体を対象として平成12年度からモデル事業を行いました。この8団体から意見を聞いて制度設計を行い、平成12年12月に要綱を制定し公募を開始しました。平成13年度から本格実施し新規に60団体を認定しました。14年度には新たに18団体を認定しています。その後15年度以降は、新規認定団体が5から9団体に減少してきました。
このころ、道路予算が削減される中で、道路の草刈り回数を年2回から年1回に削減したという背景がありましたが、県民から草刈りの充実を求める意見が頻繁に出され、県議会から道路緑化の意見が出されたことを契機として、平成21年度に制度を大幅に見直しました。見直しの内容は、住民が参加しやすいように認定要件を緩和しました。これまで500m以上の区間を年に4回以上としてきましたが、100m以上の区間を年間2回以上、緑化活動を行う場合は、距離要件を撤廃、このように制度を変えました。また、活動団体名表示板への企業名の表示を認めました。また、活動団体との意見交換会を、毎年県下の全土木事務所において開催することにしました。
また、草刈り・除草・緑化活動に対する支援内容を充実しました。それまでは草刈り機の使用は安全面から勧めていませんでしたが、大幅な制度見直しの主旨が草刈りの充実でしたので、草刈り機の交換刃を支給することにしました。平成21年に草刈り作業中に小石を車道走行中の車に当てて車が損傷する事故が発生しまして、それを契機として平成22年度から飛び石防護板の支給を開始しました。緑化活動場所については、土木事務所で適地を抽出し、歩道沿いの樹木が枯れているなどの情報を提示して、活動への参加を促しました。
ポスター・チラシを作成して広報を充実させ、県・市町の広報紙に香川さわやかロード事業の紹介記事を掲載してもらいました。22年2月には、県の15分の広報番組を活用して、活動参加者の充実した表情や活動の様子を紹介しました。県のホームページには団体ごとの活動場所・活動内容・コメント・写真を掲載しており、現在20を超える団体が載っています。また、昨年11月からは情報誌『さわやか通信』を発行しました。さわやかロードの活動内容を、より多くの県民の方に知っていただくこと、道路愛護団体相互の交流を促進し活動の活性化を図ることを目的として、年2回県道路課において職員が自前で編集をし、カラーコピー印刷で発行しています。また、緑化作業講習会も行っています。香川さわやかロードの活動に参加いただく契機とすること、既に活動中の愛護団体参加者が緑化知識や技術を向上させることを目的に、平成21年度から開催しています。平成23年度からは現地指導方式に変更し、9月に2団体、11月に1団体実施しました。団体数の推移は、制度を変えた21年度は新規が19団体、22年度は15団体と順調に増加しています。
制度の目的の一つは県管理道路の環境美化ですが、13年度の活動開始時と比べるとごみの量は減ったという意見が多くなっています。ただ、県管理道路全体で見た場合には、活動距離は9%に止まっていますし、年2回の高松市中心部の清掃活動では、相変わらず交差点や踏切付近でたばこの吸い殻が多くあったり、植え込みには空き缶が捨てられていたり、十分進んだとは言いにくい状況です。今後は活動を県下全域に展開させ、県管理道路に占める活動距離の割合を高める必要があると思っています。
また、県民の道路愛護精神の高揚も目的の一つです。活動参加経験者は道路にごみを捨てない意識を持ち、さわやかロードのゼッケンを付けた活動を見た運転者や歩行者も、気持ち良く安全に道路を利用出来るよう意識すると思っています。
現在、構成員が高齢化しているので、活動継続の励みとなる機会を創出することが最大の課題だと思っています。このためには、広報を充実させて、活動に関するマスコミ掲出の機会を増やすこと。あるいは表彰制度を充実させて、活動意欲を持続してもらうことが重要だと思っています。また、意見交換会で出された意見に可能な限り対応し、活動団体との信頼関係を強めることも重要だと思っています。市町と県との連携強化や飲み物支給の復活、道路交通法に基づく道路使用許可手続きが手間などの意見が出ており、今後も継続していくべき検討課題となっています。
団体の立場に立って、誠意を持って支援することにより、関係者の信頼を得て、相互理解・連携を深めることが重要だと思っています。
①香川県 ②藤沢市 ③スマイルスタイル(NPO) ④三国コカ・コーラボトリング㈱
