アダプト・プログラム

アダプト・プログラムの事例紹介


AP

2015年10月

釣り仲間が集まってアダプト活動~若い世代の活躍(愛媛県)

釣り仲間が集まって、ボランティア団体を結成

アダプト活動団体の多くは、活動メンバーの高齢化という悩みを抱えています。そこで、参加者の大半が現役世代の男性という「しまなみボランティア団体豊魚会」にお話を伺いました。

しまなみボランディア団体豊魚会は、平均年齢40歳。参加者の大半が現役世代の男性という、非常に珍しいグループです。普段は仕事や家族サービスで忙しいお父さんたちが、年に4回海辺に集まり、海岸に流れ着いたゴミを回収しています。団体結成のきっかけとなったのは、「釣り仲間同士の飲み会」でした。瀬戸内海に面した愛媛県今治市は、豊かな海の恵みが自慢の場所。30年ほど前は、釣り糸を垂らすだけでいくらでも魚が釣れたといいます。子どもたちは、海で遊びながら大人になりました。しかし近年、乱獲により魚の量は減少。海で遊ぶ子どもたちも少なくなりました。「魚が減り、海が汚れ、子どもたちも海で遊ばなくなった。なんだか寂しい」という話をしていたころに、東日本大震災が発生。自然に畏敬の念を抱くとともに、「海に恩返しをしたい」と考えるようになったといいます。「ぼくたちは、海で遊んで大きくなった世代。大人になっても魚釣りを趣味とし、海を使わせてもらっています。その海をきれいなままで子どもたちに残していくことは、海を愛する大人たちの義務だと感じました」と、しまなみボランティア団体豊魚会代表の大下誠さん。釣り仲間に声を掛け、2013年の5月から清掃活動を開始しました。

清掃場所は今治市の玄関口、来島海峡大橋を望む糸山海岸です。人の往来が少ないため「ポイ捨てされたゴミ」は少ないのですが、目立つのが海岸沿いに散乱 する漂着ゴミ。空き缶やペットボトル、釣り具のパッケージや漁具のかけら、流木や海草など、さまざまなゴミが海岸に流れ着いてたまって行きます。春~秋に かけては、潮流の関係で特にゴミが多く流れ着くのだとか。清掃活動日には、全員がゴミ袋を持ち、軍手をはめて一つずつゴミを拾って行きます。燃えないもの など大きなゴミを拾ったあとは、くま手で細かいゴミをかき集めます。海藻や木切れといった自然の漂着物の中に、漁具のかけらやプラスチック片などが混ざっ ているため、砂を落としながら丁寧に分別していきます。波内際での作業になりますが、参加者は「海の男たち」ばかりなので、これまでに事故などは発生して いません。

横のつながりを大切にした活動を

しまなみボランティア団体豊魚会の活動日は、奇数月の最終日曜日を基本とした年4回。活動日程が確定すると、ブログとFacebookで告知します。集 まって来るのは、みんな大下さんの釣り仲間。友達が友達を誘うなど、横のつながりで、仲間が増えています。Facebookで知り合った人が、面白そうだ からと参加してくれることも。ボートのオーナーや釣具店の店長など、海好き・釣り好きの人たちが集まって、おしゃべりを楽しみながら良い汗を流していま す。今回初めて参加した方は、「釣り仲間がボランティア活動をしているというので、私も参加してみました。Facebookで友達になったのですが、実際 に会ったことはありませんでした。清掃活動は気持ちがいいですし、普段はネット上でしか会話しない人と直接会えるので、オフ会感覚で楽しいです」とのこ と。フェイスブックやブログで知り合い、仲間が増えていくという仕組みは、若い世代らしいアイデア。固定のメンバーはおらず、趣旨に賛同し、都合が合う人 が参加するスタイルとなっています。

現役世代の男性陣に、「日曜の朝10時集合」は大変ではないのでしょうか。実はこの時間帯、試行錯誤の末に決められたもの。15時スタートにして終了後 にバーベキューをするなど、さまざま時間帯を試した結果、「朝から清掃して午前中に活動が終わった方が、午後からの予定が立てられるのでありがたい」とい う帰着になったのだとか。実際、清掃活動の終了後に「そのまま魚釣りに行く」という方も珍しくないようです。

清掃活動に参加しているのは、大人たちだけではありません。お父さんやお母さんに連れられて、子どもたちも参加します。下は2歳から上は小学校中学年まで。子どもたちはゴミを広い、時には海岸で遊んだりしながら、「海を綺麗にすること」の大切さを自然と学んでいます。

わが子2人と、子どもの友達を連れて参加した女性にお話を伺うと「夫の友達が清掃活動をしており、夫も参加していたので、自然と家族で参加するよ うになりました。子どもたちは海で遊ぶ機会も多いので、別の場所で捨てたゴミが巡り巡って海岸に漂着するということを知ってほしいと思っています。」と 語ってくださいました。常連の参加者の方からも「以前は釣りをしていて、釣り具のパッケージが海に落ちてもあまり気にしませんでした。清掃活動をするよう になって、海にゴミを落とさないよう意識するようになりました」という声が上がりました。

愛ビーチ制度の利用と今後の課題

ボランティア活動を継続する上で課題となるのが、経費の問題です。しまなみボランティア団体豊魚会では、中古の釣り道具を集めて販売することで活動経費を捻出。釣具店などに活動趣旨を説明した募金箱を設置し、善意の寄付も募っています。2014年には、愛媛県公共土木施設愛護事業の一環である「愛ビーチ・サポーター制度」に参加。「愛ビーチ・サポーター」として登録し、ゴミ袋の提供やボランティア損害保険の加入といった支援を受けています。愛ビーチ・サポーター制度の中で特に助かっているのが、収集したゴミの回収と処分を行政が担当してくれること。「かなりのゴミが出るので、処分場まで運ぶとなると大変な手間です。連絡するだけでゴミを回収・処分してもらえるのは、本当にありがたい」と大下さん。毎回かなりのゴミが出るので、ゴミ袋を無料でもらえるのも助かるとのこと。流木についても波がかぶらない場所にまとめておけば、行政が持ち帰って処分してくれるそうです。2014年には食品容器環境美化協会のアダプト助成制度を利用し、おそろいのタオルとのぼりを作成。ボランティア団体としての一体感を出すようにしています。

構成員の大半が40代男性という若々しい会ですが、すでに次世代の育成を懸念しています。「活動を知ってもらい、参加してもらわなければ意味がない」を合言葉に、さまざまなイベントに参加して活動内容をPR。現在は大下さんの一人事務局なので、活動内容をこれ以上増やすのは難しい状態になっています。これからも横のつながりを広げ、いずれはこの団体の活動メンバーの中からリーダーが育ち、別のボランティア団体として枝分かれしていけばと考えています。

<団体概要>

団体名しまなみボランティア団体 豊魚会
アダプト制度名愛ビーチ制度「愛媛ふれあいの海辺」(愛媛県港湾海岸課)
ホームページ(ブログ)http://ameblo.jp/mebaru5005/(外部リンク)
活動場所糸山海岸(愛媛県今治市)

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