アダプト・プログラム

アダプト・プログラムの基本と概要


◆ 目次

(1) 基本システム・由来

アダプト・プログラムは、市民と行政が協働で進める、新しい「まち美化プログラム」です。 アダプト(ADOPT)とは英語で「○○を養子にする」の意味。 一定区画の公共の場所を養子にみたて、 市民がわが子のように愛情をもって面倒をみ(=清掃美化を行い)、行政がこれを支援します。 市民と行政が互いの役割分担を定め、両者のパートナーシップのもとで美化を進めます。

「アドプト・プログラム」ともいいます。

→関連リンク: 「まち美化アダプト・プログラム」とは(リンク)

◆ 基本的な仕組み

基本的な仕組みは、「ある公共の場所を特定し」「市民と行政が役割分担を決め」「清掃美化する」という活動です。また、その内容を合意書の形で確認しあいます。

◆ 特徴

  • ・市民と行政が協力しあって行う(=協働で行われる)活動である点
  • ・合意書を結び、場所を特定し、市民と行政の役割を明確にする点
  • ・1回きりのイベント的な清掃活動ではなく、地域に根差した継続的な清掃活動である点
  • ・サインボードを掲げ制度をアピールする点
 

などが挙げられます。

◆ アダプト・プログラムの由来

アダプト・プログラムの起源はアメリカの「アダプト・ア・ハイウェイ・プログラム」です。1985年にテキサス州で生まれました。現在は全米に広がっています。

テキサス州のタイラー・シヴィタン・グループが世界で一番初めに参加した団体です。

→関連リンク: 「アメリカのアダプト・プログラム」(リンク)

◆ 日本におけるアダプト・プログラム第1号

日本におけるアダプト・プログラム第1号は徳島県神山町です。
1998年に、民間団体が中心となり、町内の4団体が、神山町の県道8㎞区間にアダプト・サインを設置して、 道路の清掃活動を開始しました。アメリカのアダプトを参考に、一区間2㎞、年間の清掃回数は6回以上、期間も2年間の枠組みでスタートしました。

この取組はマスコミにも取り上げられ近隣の市町村や、他県にも広まり全国的な展開が進みました。

◆ なぜまちをきれいにしなれけばいけないのか?

ポイ捨てやごみの散乱などによりまちが汚くなると景観が悪くなるだけでなく、 衛生面でもよくありません。また、清掃にかかる費用も増えます。リサイクルすれば資源として有効に活用できるものが無駄になってしまったり、 河川や海洋汚染の原因になる等、様々な理由があります。

また、まちを汚れたまま放置していると「誰もこの地域に対し関心を払っていない」というサインとなり、犯罪を起こしやすい環境を作り出します。 ごみのない環境を保つことで防犯にも繋がります。

→関連リンク: 「どうしてポイ捨てしちゃいけないの(まち美化キッズ・特設サイト)

→関連リンク: 「なぜまちをきれいにするの(まち美化キッズ・特設サイト)

→関連リンク: 「割れ窓理論」(Wikipedia・外部リンク)

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(2) 導入の目的、メリット(成果・効果)

◆ 導入の目的

アダプト・プログラムを導入する目的は、「まち美化」、「協働の手段として」、「まちづくりの一環として」 「環境問題への取り組みの第一歩として」など導入する自治体や担当部署などにより様々です。

毎年のアダプト導入自治体アンケート調査では、まちがきれいになった、環境美化への啓発効果(きれいな場所にはポイ捨てしずらい、 自分がポイ捨てしなくなったなど)、地域への愛着心高揚など様々な成果・効果が認められています。

また、アダプト参加団体へのアンケート調査でも同様の結果となっています。

→関連リンク: 「アダプト導入自治体アンケート調査」(リンク)

◆ 「まち美化」「ポイ捨て防止啓発」

アダプト・プログラムのメリットとして、まず第一に『まちがきれいになる』ということが挙げられます。

「ごみがごみを呼ぶ」といいますが、きれいな場所にはポイ捨てしづらいこと、 ごみを拾うという行動自体大変なことですから活動した人がポイ捨てしなくなるなど、『啓発』の効果もあります。

「美化」の実効の検証調査については、下記のページをご覧ください。

→関連リンク: 「アダプト導入自治体アンケート調査」(リンク)

◆ 協働の手段として

アダプトは協働による清掃活動です。

ゴミ拾いは基本的には好きな時に好きな場所で活動できますが、アダプト・プログラムに登録することによって市民の役割と行政の役割・責任が明確になります。

そのことにより地域への愛着が生まれることを生かし、協働部署においてはまちの美化以外の副産物的な効果を生かし、協働を進める目的に導入する自治体もあります。

◆ 地域振興・市民の活躍の場

活動を通して地域の交流を深めたり、高齢者の活躍の場になったり、障害者の社会進出の場になったりと、市民が活躍することでまちが活性化するなどの効果もあります。

◆ 高齢者の活躍の場

高齢者が多い地域では、井戸端会議の場となり日々の楽しみが増えたり、活動に姿を見せない場合の安否確認(病気でないか、どこか悪いのかなど)のサインにもなります。

◆ 環境問題への入り口

世界で起きている環境問題を自分の問題として考えるきっかけになればいいとアダプトを設けている自治体もあります。

ごみ拾いや環境美化活動を通じて、身近な環境に触れることで、世界で起きている環境問題を自分のこととして感じることができます。 また、ごみを拾うこと、ポイ捨てしないこと、リサイクルにできるものはリサイクルするなど適正処理を行うことは、環境問題解決のための第1歩です。

◆ まちづくり

目的と期待成果は、ボランティア活動を通じた横のつながりの強化、中心市街地を魅力あるまちに育てる意識の醸成、 そして積極的にまちづくりに参加するという意識を持っていただくことの3つです。最終的に、中心市街地の空洞化に伴う弊害の解消につながっていけばと考えています。

回答:長野市 都市整備部まちづくり推進課(アダプト・シンポジウム2008)

◆ 地域に入るためのネットワークづくり

アダプトの担当部署である土木部の最終目的は「地域づくり」や「地域再生」。その一環としてアダプトを導入しています。 都道府県は市町村に比べ市民と直に交流することが少ないため、アダプトを通して耐震や防災、防犯の話にもつなげています。

回答:大阪府都市整備部

◆ 防犯」「防災」など

日ごろから手入れがされている場所では、人目があることから防犯効果も期待できます。 ごみを拾いながら地域の見回りを実施している団体もあります。中学生、高校生がたむろっている夕方に、 ごみを拾いながら監視の目を向け見回りをすることで防犯に繋げています。また、防犯の襷をして見守ることで、 ただ静かに清掃するよりも、活動している ことがアピールでき犯罪を防げるようです。(「ディスプレイ効果」)

また、日ごろから地域の人とのコミュニケーションをとり地域力を培うことで、いざというときに役立ちます。

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