アダプト・プログラム

6.育成(継続的活動やリーダー育成のための施策)


◆ 目次


(1)アダプト参加団体の育成策

2011年度のアダプト・プログラム導入自治体調査では「継続的な活動やリーダー育成のため、参加団体、担い手に対する育成策」の実施有無について、都道府県3、市区町村7、計10件で「実施している」との回答でした。

具体的には次の施策があげられました。

・リーダー育成スクール実施
・活動団体の事例発表会、意見交換会、交流会、連絡協議会等の活用
・道路の危険個所を早期発見できる人材育成策

■ ターゲット別の仕掛け

参加団体や市民に対する育成策はどのようなものでしょうか。

2010年度に実施したアダプト研究会では以下の議論が行われました。

(2015年食環協にて修正・追記)

→ピラミッド(図1)の各層に応じて育て方が異なるため、ターゲットを絞った仕掛けが必要。

ⅳ.無関心層

・広報の積み重ね(露出度を上げるなどの仕掛けで知ってもらう)
・制度のハードルを低くし、参加しやすくする
・おしゃれ感を出し、興味を持ってもらう

ⅲ.関心はあるが活動をしていない層

・制度のハードルを低くし、参加しやすくする
・イベントなど参加するきっかけを作る
・ニュースレター等を配布し静かに投げかける

ⅱ.活動はしているがリーダーではない層

・活動の魅力を深め、より達成感を味わえる仕掛けをする。(メリットを明確にする、表彰や交流会を実施する、等)
・個人で清掃活動をするには限界があるため、行政が協力することで継続できる。
・「人の役に立てて嬉しい」「行政に認めてもらえて嬉しい」「地域・企業内で交流ができた」 「街がきれいになって嬉しい」など気付きを大事にする。
・地域の人の気付き…清掃活動の際に市から貸与しているユニフォームを着用しているため、 「ご苦労さま」とねぎらいの声をかけてくれる方もいる。「この町をきれいに清掃してくれる人がいる」と気付く。

ⅰ.リーダー的存在(地域職人・地域のキーパ-ソン)

活動をより長く継続するための工夫が必要。

地域職人に育つと、その人に仕事が集中し頼り切りになる傾向がある。地域職人がその地域にとってすごい人だからといって、 仕事に集中してしまえば疲れきってしまう。そうならないような仕組みが必要。

例えば、新たな地域職人を育てる(ボランティアリーダー育成プログラムの実施)、役割分担をしてもらう。 地域職人同士の交流を深め、情報交換したり協力できることは協力してもらう等。

→関連リンク: 「アダプト・プログラム研究会報告書」
「アダプト・プログラムをさらに充実させるための提案」
(東海大学 河井孝仁教授)

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(2) 行政担当者に対する育成策

数の部署で担当している場合、部署によりアダプトに対して温度差があったり、または担当者によっても温度差があることがあります。

多くの業務の中のひとつとして「ただ参加者数などが増え目標を超えればよい」という考えの方もいますし、 自治会、NPO、活動団体などの現場の人たちの連携し、「市民の目線で協働の立場をとることが大事」と考える担当者もいます。

それぞれモチベーションが違う中で、円滑に運営するため職員に対する育成について考える必要はあります。

■ マニュアルの作成

個人の資質に頼り切った仕事をするのではなく、パッケージやマニュアルを作成し、 粛々と仕事をしていても一定の成果・態勢が作れるシステムをつくるのも一つです。

また、部署別(協働部署・道路河川等管轄部署)、自治体の考え方別、担当課の考え別、 などに応じた内容のパッケージを作ることが大事です。

また、アダプト担当部署だけでなく関連部署(協働部署・道路河川等管轄部署・環境部署など)に配布することで、 庁内の理解が進み、場合によっては連携が進みます。

■ 現場に行く(活動団体との交流)

テキストブックだけでなく、現場に行き、活動団体との交流を通じ、考えさせたり、書かせたり、 発表させるような内容を盛り込むと良いです。

トップの方やアダプト担当以外の部署にも現場を経験してもらい、体験を通し考え、経験に変えていく、という内容のものであれば、 より理解が進み円滑に運営できるようになります。

■ 連携

行政においては定期的に異動があるため、一人で担当している場合、その時の担当者が頑張っていても、 異動して引き継ぎした時に次の担当者が頑張るとは限りません。複数の担当者で業務を理解しておくことが必要なのではないでしょうか。

また、市民から清掃活動をしたいと申し出があっても複雑なケース(市境の県道など)や障害がある場合、 周りの職員の理解がなければ進まないこともあります。

日ごろから職員同士の連携・理解を深めることが大事です。

■ 地域・エリアを超えた連携

全国レベルのアダプト会議・地域レベルのアダプト会議などが開催され、そういった場所で顔を合せていると、 複数の自治体が関連するケースにおいても連携がしやすくなります。

「都道府県内における地域・エリア間の連携」について、詳細につきましてはこちらをご覧ください。

→関連リンク: 「行政内における連携」(リンク)

■ NPOを中心とした育成策

NPOが中心となりアダプト運営をしていくことで、行政職員も変わっていく例もあります。「NPOどう位置づけるか」がポイントです。

・参考例-ひろしまアダプトとの連携(広島県)

NPO法人(中間支援組織)が中心となって,ボランティア団体の人材を育成してくのが良いと思う。 建設事務所には,それぞれアダプトの担当者がいるが、他にもたくさん業務があるし、 また、職員はだいたい3年くらいで変わるので、実際問題として、県の職員 がボランティア団体の人材を育成していくのは難しいと思う。

先週の金曜日にアダプト交流会を開催し,40団体以上が集まった。NPOの理事長は、その席で「電話一本くれれば、 いつでも駆けつけますから!」と集まっ た団体の皆さんに言っており、とても熱意のある人である。 ボランティア団体の代表もされているが、ボランティア団体の代表者には、とても熱意のある人が多いと思う。 やはり県の職員が育成するというより、そのような熱心な人に任せるのもありだと思う。

回答:広島県・道路河川管理課

NPOおよび中間支援組織との連携について、詳細につきましてはこちらをご覧ください。

→関連リンク: 「NPOおよび中間支援組織との連携」(リンク)

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