アダプト・プログラム

アダプト・プログラムの事例紹介


AP

2017年5月

クリーン・キャンバス21(帯広市)

帯広市クリーン・キャンバス21とは

帯広市クリーン・キャンパス21は、2000年に発足したアダプト制度を運営する団体です。
結成のきっかけとなったのが、帯広青年会議所でした。青年会議所の若手メンバーで運営する委員会において帯広市内の清掃活動が議題に上りました。当時の帯広市はゴミのポイ捨てなども多く、地域を知り、地域住民の清掃に対する意識を高めるために、帯広市と連携しながら「アダプト運営団体」としての形を整えました。活動エリアは当初11エリアでしたが、現在では13エリアに広がっています。帯広市は活動予算と、ゴミの収集・処理を行うことになりました。この活動予算で、まずはアダプト看板を作成。清掃エリアに一つ看板を作り、活動団体名を追加していく方法を取りました。

アダプトプログラムの看板 (各エリアに設置してあるアダプトプログラムの看板)
 

次に作ったのが、お揃いのジャンパー。地元の人に活動を知ってもらうため非常に目立つ黄色にし、背中にはクリーン・キャンバス21のロゴを配置しました。軍手や火ばさみなどゴミ拾いに必要なアイテムは活動予算の中から手配しています。ホームページや口コミで活動を知った企業や町内会、商店街組合などこの活動に賛同した団体は、エコファミリーとして活動団体登録し、各自で活動を行います。活動回数は団体によって異なりますが基本は月1回、多い団体では週1回行っています。普段は各団体が個別に活動していますが、年2回の一斉清掃の日は多くの団体が一堂に集まります。告知は帯広市のホームページや、広報誌がメイン。ファミリー団体の参加者に誘われて参加する人も、少なくありません。第1回は5月、第2回は10月に行いますが、これは「5月より前だと雪が残っているし、10月より後だと雪が降り始める」という帯広特有の気候条件から生まれたもの。多くの団体が、1回目の団体清掃をその年度の活動初め、2回目の清掃を年度の活動納めと位置づけています。
 

帯広市クリーン・キャンバス21実行委員会とExcla!matioN

この全体清掃を取りまとめているのが、帯広市クリーン・キャンバス21実行委員会。運営しているのは、Excla!matioNという社会人サークルです。Excla!matioNは、「YOSAKOIソーラン祭りに参加し、YOSAKOIソーランを踊る」という目的で結成されたグループ。それがなぜ、帯広市クリーン・キャンバス21と関わることになったのでしょう。
もともと帯広青年会議所は「自分たちは活動を形にするが、いつまでも自分たち主体で行ってはいけない。いずれ市民団体に引き継ぎ、地域全体に浸透させたい」という思いで、この活動を始めていました。
活動が10年目になったころ、「そろそろこの活動も形になってきたし、事務局を市民団体に引き継いでもいいのではないか」という話しが出ました。そこで声をかけられたのが、Excla!matioNでした。Excla!matioNの代表であり、帯広青年会議所のOBである黒田勝史さんに「事務局を引き継いでくれないか」と依頼し、約2年をかけて事務局機能を移行。現在はExcla!matioNの広報班が、事務局メンバーとして活動しています。「青年会議所が下地をしっかり作っていてくれたので、引き継ぎで苦労したことはありません。Excla!matioNは帯広畜産大学の学生が多く参加しているので、青年会議所が主導していた時代より少しテンションが高く学生らしいやり方になったように思います。」と黒田勝史実行委員長。
 

第1回全体清掃活動の様子と参加意識を高める工夫

5月13日(土)に開催された、平成29年度第1回全体清掃活動の様子をご紹介します。
清掃活動に参加するファミリー団体は、まず帯広市役所前で集合し、軍手やゴミ袋、ジャンパーを受け取ります。これらの道具は青年会議所の倉庫に保管しています。参加団体は人数に応じて4グループに分かれて整列。全員そろったら、結成式と開会挨拶が行われます。開会挨拶時は参加団体名を全団体読み上げ、初参加の団体には挨拶をしてもらうなど、参加者の意識を高める工夫がなされていました。

帯広市役所前行われた結成式の様子 (帯広市役所前行われた結成式の様子)

結成式の後は、Excla!matioNのメンバーが先導しながら清掃活動に出発。「今までは2コースでしたが、参加者による交流会の際にルートを見直してはどうかという提案があり、今回は4コースで行われました。コースを追加するに当たって、Excla!matioNメンバーでルートを見直し、実際に歩いて下見を行いました」と、事務局長の大友健生さん。先導用の旗を作り、学生主体で誘導するなど、若い力があふれているのを感じました。今回の活動に参加したのは183名。ファミリー団体として登録している企業や町内会、商店街振興組合に加え、一般個人の飛び入り参加もありました。親子で参加するメンバーもいるため、小さい子どもの参加者もチラホラ。子どものころから活動に参加することで「ゴミを捨てない」という意識が自然と身に付くのではないでしょうか。今回初めて参加した人の中には、「こんな活動があるけど、一緒にやらないかと声をかけられた」「社長が個人で活動に参加していたが、今年度からは会社全体で参加することになった」という声もあり、活動が口コミで広がっていることが分かります。ゴミ拾いは約1時間。

 

それぞれのルートに分かれ、ゴミ拾いを開始します (それぞれのルートに分かれゴミ拾いを開始します)

植え込みの中に落ちているゴミを、丁寧に拾います  (植え込みの中に落ちているゴミを丁寧に拾います)

帯広市役所に戻ってきたら軍手やジャンパーを返却し、事務局が用意した飲み物を受け取ります。
参加者が三々五々と戻ってくる中、事務局メンバーはゴミ袋を回収。付箋に「どんなゴミが多かったか」を記入し、事前に用意した白地図に貼付けて行きます。これで、「どの道に、どんなゴミが落ちていたか」が一目瞭然。これは、大学生のアイデアから生まれたのだそうです。「帯広は車社会です。普段は車で移動するので、街中をゆっくり歩くことはありません。ゴミ拾いをしながら町を歩くことで、町の魅力を見つけることもあります」と黒田さん。10月の全体清掃の時は「紅葉がキレイ」など、町のPRに仕えそうな付箋が張られることもあります。

実行委員のメンバーが手作りした白地図   (実行委員のメンバーが手作りした白地図)

落ちていたゴミの種類を付箋に書き込み、白地図に張ります    (落ちていたゴミの種類を付箋に書き込み
   白地図に張ります)

メンバーが全員帰ってきたら、終了式が行われます。終了式では総括として、どこの場所にどのようなゴミが多かったのかを報告。参加したメンバーが活動の感想を述べる時間も設けられています。自社PRも兼ねて活動を報告する企業など、ユニークな報告もありました。最後に記念撮影をして、活動は終了。集めたゴミは市役所がまとめて処分してくれます。集めたゴミの中で一番目立つのは、タバコの吸い殻。歩きタバコやポイ捨てを禁止する条例がないため、他の都市よりタバコのポイ捨てが多いのかもしれないという声もあります。しかしこれは、「ポイ捨てを禁止することで美化を進める」のではなく「捨てないという意識を高めることで美化を進める」という帯広市の意思表明。結成当時を知る青年会議所のメンバーが「ただゴミを拾うために始めたのではなく、捨てない・捨てさせないという意識を高めるために始めた」というのもうなずけます。

平成29年度第1回全体清掃には、183名が参加しました(平成29年度第1回全体清掃には183名が参加しました)

回収したゴミは、市役所で処理します     (回収したゴミは市役所で処理します)

Excla!matioNは、年に2回会報誌を発行しています。全体清掃活動の報告と参加者のコメント、ファミリー団体を紹介。ファミリー団体には全体清掃時に配布したり、郵送していますが、ホームページに掲載しているので誰でも見ることができます。これもパソコンに詳しい若者ならではのアイデア。ホームページを見て興味を持ち、全体清掃に個人参加する人もいるそうです。
 

活動のやりがいと今後の課題

事務局長の大友さんは、帯広畜産大学の3年生。事務局長は代々、大学3年生が務めることになっています。「大学にはYOSAKOIのサークルがないので、Excla!matioNに加入しました。加入したサークルが清掃活動を行っていたので、じゃあ自分もやろうと思ったのがきっかけです」と大友さん。事務局の主な仕事は、全体清掃活動の運営準備と実行委員会の開催だけなので、運営に対する苦労を感じた事はないのだとか。実行委員は各ファミリー団体から1人選出する形なので、団体への情報伝達もスムーズです。実行委員長の黒田さんは「企業で参加している団体は社員の中からリーダーを決めて実行委員に選出してくれるので、引き継ぎなどでもめることはありません。参加団体の方がみんな意識が高いので、人間関係での苦労はないですね。日常生活や仕事関係では知り合うことのない人と知り合いになれるのは、この活動の大きなメリットだと思います。知っている人の前では、悪いことはできませんから、自分を見直すきっかけにもなります」「今後はもっとファミリー団体を増やしたい」と語ってくださいました。
今後の課題は、アダプト看板の修理と維持。冬の間は雪に埋もれてしまうためどうしても腐食しやすく、限られた予算の中でいかに維持管理を行うかを検討中です。
「青年会議所は10年事務局を努めて、Excla!matioNに活動を引き継ぎました。私たちも10年を節目に、別の団体に活動を引き継いでもいいかなと思っています。事務局を買ってでてくれるファミリー団体が出れば、うれしいですね」と、黒田さん。市民意識の高まりとともに、「自分の住む場所は自分たちできれいにする」という考えも浸透しているようです。
 

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