環境学習支援

表彰校紹介・最優秀校(青森県・大間町立奥戸小学校)


最 優 秀 校

 

活 動 内 容

地域の力を糧に校歌で歌い継がれる豊かな自然を守り抜く31人

本州最北端に位置する青森県大間町。その南西部に広がる奥戸(おこっぺ)地区に建つ同校では、なだらかな山や津軽海峡に面した自然豊かな環境を守るために、地域に密着したさまざまな活動に取り組んでいる。2005 年から開始したのが、「天狗山登山」。同校から歩いて約 40 分の場所にそびえる天狗山は、奥戸のシンボルとして古くから地域に親しまれている。雪が解けた春先、冬期間雪に埋もれていたポイ捨てごみを回収しながら登山に励む、年 1 回の恒例行事だ。その 2 年後からは、地域を流れる「奥戸川」の源流を辿ってごみを拾う活動も始めた。奥戸川は、住民の飲料水になる貴重な川で、地域にとって欠かせない。その源流を探索することで、水の大切さや環境保護の重要性を体感している。

こうした児童の取り組みを積極的に支えるのが、地域の自然保護ボランティア団体「川蝉(かわせみ)会」だ。天狗山登山では、ごみ回収活動とともに、植物の生態について説明したり、児童の安全誘導に務めたりなど、学校にとって得がたい存在となっている。奥戸川の源流体験においては、途中の林道で植林や木の年輪、砂防ダムの役割など、フィールドワークならではのアクティブな講義に発展。また、奥戸川ではイワナの稚魚放流体験も行う。放流後、川蝉会の指導の下、児童が生きた魚を素手でさばいて調理し、食べながら自然や命の重みについて考えを深める。

川蝉会会長の増山渉さんは、「体験活動を通じ、命を育む自然を守りたいという豊かな気持ちが芽生えてくれればうれしい」と期待を寄せる。その思いに呼応するように、児童は奥戸の町や自然との関わり方について率先して考えるようになった。川蝉会から学んだことは、ポスターや新聞にまとめて発信し、地域の自然を積極的にアピールしている。今年は、奥戸漁港を中心とした清掃活動を高学年が企画、全校で実施するイベントに広がった。
全校児童数 31 名の小さな学校だが、地域の力をバネに、豊かな自然を未来へとつなぐその姿は、校歌に歌い継がれる天狗山や奥戸川のように、力強く頼もしい。

授 与 式

表彰授与に際し、コメントをいただきました。

◆ 津幡 亨 校長先生

『この5本の指に入るほど大きな賞は、皆さん一人ひとりと、今までの先輩の皆さんと、それから奥戸小学校を支えてくれる地域の皆さんがもらった賞です。ここに住んでいる人たちみんながいい気持ちになる、そういう奥戸小学校でこれからもずっといましょう。先ほど、ひまりさんが宣言しました。これからも、できることを地域の人たちといっしょに頑張っていきましょう。』

◆ 宮野 ひまり さん(児童代表)

『私たちは、先輩たちからごみ拾い活動や天狗山登山など、さまざまな活動を引き継いできました。この取り組みが高く評価され、農林水産大臣賞という名誉ある賞に選ばれ、とてもうれしく思います。これは、大間町や地域の方、そして川蟬会の皆さんのご協力があったからです。忘れてはいけないのは、先輩たちの努力です。先輩たちが続けてきた自然を大切にする気持ちを、自分たちも受け継ぎたいと思います。 自然は一度破壊されると、元に戻すのが大変です。だから、自然環境を守り、地域の美化に取り組んでいきます。私たちは、奥戸の自然がいつまでも豊かで、いい町になるように努力していきます。』

◆ 阿部 嘉 氏(青森地連・みちのくコカ・コーラ株式会社)

『現在、海洋プラスチックごみやSDGsといったニュースが飛び交う中で、奥戸小学校のように、地域と連携しながら昔からやっていた取り組みが、今回こういう形でお披露目できたことは本当に良かったと思っています。奥戸小学校だから成し遂げられたことだと式典に参加して強く思いました。』

<授与式概要>

  • 大間町立奥戸小学校(青森県)
    日時 : 2021年2月10日(水)
    場所 : 青森県大間町立奥戸小学校 体育館
  • 出席者 は下記の通りです。
    ・ 津幡 亨 校長先生
    ・ 宮野 ひまり さん(児童代表)
    ・ 佐藤 智義 様(青森県下北教育事務所 教育課 課長)
    ・ 川蟬会の皆さん
    ・ 阿部 嘉 氏(青森地連・みちのくコカ・コーラ株式会社)

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