食品容器環境美化協会

表彰校紹介・最優秀校(石川県・白山市立北星中学校)

最優秀校

活動内容

日本ジオパークにも認定された豊かな自然を守ってSDGsに挑む

多様な自然や文化･歴史が息づく地域として、市全体が「日本ジオパーク」に認定されている白山市。その北部に位置する同校の近くには、白波が寄せる砂浜が続く徳光・相川（そうご）海岸が広がっている。バーベキューや海水浴が楽しめる海浜公園として、市内外から多くの観光客が訪れる人気のスポットだが、広範囲にわたり漂着ごみが見られる。幼少期から親しんできた浜辺が汚染されていく光景を目の当たりにした生徒は、美化委員会を中心に海岸清掃を 2004 年に企画。ボランティア参加を呼びかけたところ、約 80 人が集まって清掃を実施した。その翌年からは、生徒会執行部が引き継いで活動を開始。年々参加者は増えていき、ほとんどの生徒が参加するまでに成長したため、2019 年からは全校で実施するようになった。総合的な学習の時間を使って漂着ごみを回収した後は、感想や記録を残し、次回の取り組みに生かしているのが特徴だ。

その海岸清掃をしている相川海岸では毎年 7 月下旬、ヒラメの稚魚放流も行っている。資源改善のために県漁業組合が長年活動している取り組みだが、人手不足などの理由から同校に協力依頼したのがきっかけで、20 年以上にわたり共同で開催している。
石川県漁業組合美川松任出張所の浜本英一さんは、「生徒さんたちがここの海岸清掃をしてくれることで、我々も安心して船を出すことができ非常に助かっています。ヒラメが大きく育つ環境になればうれしい」と感謝を寄せる。

同校では、「挨拶」、「学校行事」とともに、「清掃」に力を入れる 3 つの伝統が受け継がれてきた。校内清掃で培ってきた美化意識は、徐々に校外にも向けられるようになり、ポイ捨てごみを回収しながら通学する「通学路クリーン活動」も始めた。同時に、市が主催する「白山市クリーン作戦」にも進んで参加している。こうした多岐にわたる取り組みを通じ、地域環境をよりよくするために今年度は、市へ提言書を提出。見据えているのは SDGsだ。日本ジオパークに認定された地域に住む一住民としての誇りを胸に、596 人の生徒たちのひたむきな挑戦は続く。

授与式

表彰授与に際し、コメントをいただきました。

◆ 石井利幸校長先生

『環境教育において最優秀賞を受賞し、学校としても私としても喜んでいるところです。これは、平成16年から海岸清掃など地域の清掃活動、地域環境をより良くする活動を継続して行ってきたことで与えられたという風に思っています。
継続は力なりといいますが、本当にこの地域の環境を良くするということを、歴代の校長が大切に大事にしてきて、今日この日を迎えることができたと思っています。
本年度は、コロナの影響で残念ながら海岸清掃ができなかったですが、食品残さの削減を目指してフードバンクの取り組みをしているところです。今後も、今までやってきた環境をより良くする取り組みを継続しつつ、新たなことに取り組んでいきながら、中学生として何ができるかを考えながら取り組んでいきたいと思います。』

◆ 前田叶琉さん（生徒代表）

『この度は、このような立派な賞を頂くことになり、とてもうれしく思います。ありがとうございます。これからも、先輩たちが残してくれた伝統を引き継ぎ、海岸清掃やクリーン作戦などを行い、地域の皆さんと協力しながら、この北星中や地域の環境を守っていきたいと思います。』

◆ 日向正志様（白山市教育委員会学校指導課課長）

『日本ジオパークやSDGs未来都市に認定された白山市としましても、この度の北星中学校の受賞が様々な取り組みの更なる一歩を踏み出す大きなきっかけとなることと大変うれしく思っております。ぜひ今後も、創意工夫を凝らしながら持続可能な社会の作り手として、一歩でも二歩でも前へ進んでいただきたいです。』

◆ 谷本芳和氏（北陸地連・大塚製薬株式会社）

『北星中学校さんの取り組みは、単年度で終わりではなくて、継続していること、環境意識をしっかり持って活動していることが評価され、受賞につながったのだと思っています。この受賞を励みにして、いっそう地域環境に目を向け、後輩にもバトンをつなげながら長きにわたり活動が続くことを願っております。』

＜授与式概要＞

白山市立北星中学校（石川県）
日時： 2021年2月8日（月）
場所：石川県白山市立北星中学校　研修室
出席者は下記の通りです。
・石井利幸校長先生
・小川正清教頭先生
・小澤拓海教諭
・生徒会長　前田叶琉さん、丸山哲平さん
・日向正志様（白山市教育委員会学校指導課課長）
・谷本芳和氏（北陸地連・大塚製薬株式会社）