食品容器環境美化協会

表彰校紹介・最優秀校(宮崎県・延岡市立岡富中学校)

最優秀校

活動内容

生徒が発信する住民の尊い功績が地域の美化や活性化に寄与

大きな川が幾筋も流れる水郷の町、延岡市。市の中心部に位置する同校の目の前には大河のひとつ、「五ヶ瀬川」が横たわる。その五ヶ瀬川堤防沿いは、多くの生徒の通学路になり、桜や菜の花が咲き誇る憩いの場として現在、市民に親しまれている。しかし、かつてはごみが散乱する殺風景な堤防だった。そこを地域の憩いの場にしたいとの思い一心で、たった一人の住民が桜の植樹を開始。徐々に参加者が集まり、やがて、市の名所に生まれ変わった。

一方で、同校でも 2003 年から学校単独で堤防沿いなどの清掃に取り組んでいたが、そうした住民たちの活動を知り、2016 年から協働で実施。生徒は、「延岡探検隊 imotako プロジェクト」と名付けて、住民と協力して堤防沿いの清掃や花壇の手入れに取り組む。さらに、延岡の良さを「探す」「創る」「発信する」活動として、堤防で行われる市民手づくりの祭り「延岡花物語」にも参加。環境意識向上につなげるために、リサイクル素材で作った風車を堤防沿いに設置、風車アートとして毎年、市民の目を楽しませている。すべて生徒会が中心となって企画し、設置から撤収までを行っているのが特徴だ。昨年は、市内の中学校 19 校に風車の作成協力を呼びかけたところ、風車目標本数 1000 本に対し、1500 本を設置することができた。

桜の植樹を最初に始めた住民の松田庄司さんは、「生徒が外に向けて情報発信することで、メディアが取り上げ、話題性を生みました。結果、ごみのポイ捨てが減少し、市民の意識が変わってきました」と効果の大きさをかみしめる。

その松田さんの功績を後世に残すために、生徒は紙芝居を手づくりした。それを、環境教育出前授業の一環で、小学校や幼稚園に出向き、読み聞かせを行いながら、広く発信。

今年度は、さらにアピールするべく、生徒だけで実施してきた風車作成を、保護者や住民にも参加してもらうよう準備を進めている。一人の住民が静かに始めた美化活動が、生徒の力強い発信力や実践力により、地域を巻き込む大きなうねりに発展している。あ

授与式

表彰授与に際し、コメントをいただきました。

◆ 学校長　粟田　茂樹様

『これまで地道に取り組んできたことが、このような素晴らしい結果につながったということで本校卒業生、在校生や地域の方々とともに喜びたいと思います。この受賞を記念として、活動を続けてきたコノハナロードに河津桜2本を植樹させていただきます。コノハナロードを訪れたときは、植樹した河津桜を見て受賞を思い出し、これまで行ってきた地域の美化活動や地域活性化に自主的に関わろうとする生徒が今以上に増えていくことを期待しています。』

◆ 生徒代表　三谷　彩乃さん

『今までたくさんの活動を行ってきましたが、先生や地域の方々のサポートがなければ成功を収められなかったと思っています。コノハナロード延岡市民応援隊の皆さんをはじめ、活動に協力してくれた中学生の皆さん、活動をさまざまな形で応援してくださった方々、皆さんでとれた賞だと思いますので、改めて感謝申し上げます。』

◆ 宮崎県　環境森林部　資源社会推進課　企画・リサイクル担当　主事　野村　大地様

『先輩たちが残してくれた伝統を引き継いで、地元の方と連携し環境教育に取り組んできた結果が、このような素晴らしい賞につながったものと思います。今後も、次世代に繋ぐ活動を継続し、延岡の自然がいつまでも豊かであり続けるよう取り組まれることを期待しています。』

◆ 宮崎地連　長友　良弘氏（キリンビール株式会社）

『皆さんの環境に対する取り組みは、延岡市をよくするだけではなくて、皆さん自身の心も豊かにする活動だと考えています。そして、これまで続けてきた取り組みが認められたことへの喜びを、皆さんで分かち合っていただき、ぜひ次の世代へ引き継がれますよう、末永い活動になりますことを願っております。』

＜授与式概要＞

延岡市立岡富中学校（宮崎県）
日時： 2022年2月9日（水）11:30～
場所：同校校長室
出席者は下記の通りです。
・学校長　粟田　茂樹様
・副校長　上中別府（かみなかべっぷ）　利一（としかず）様
・生徒代表　中本　公希さん
・生徒代表　堀田　莉空（りく）さん
・生徒代表　三谷　彩乃さん
・生徒代表　矢野　真衣さん
・宮崎地連　長友　良弘氏（キリンビール株式会社）