アダプト・プログラム

7.様々な課題と対策案


◆ 目次

(1) 「幽霊部員」「里親の置き去り」に対する対応

アダプト制度が導入されて日がたつにつれ、アダプトに登録しているものの、活動の実態がない「幽霊部員」や「里親の置き去り」という新たな問題が生じてきました。

○ 参考例-「活動計画書・報告書の提出」

ボランティア保険の関係等で活動予定をあらかじめ報告している自治体や、活動報告を義務付けて、活動を確認している自治体もあります。

○ 参考例-「全団体を取材し市のHPに掲載」(美濃加茂市)

美濃加茂市では、アダプトに登録しているすべての団体を訪問し、活動を市のHPに掲載しています。活動のPRになるだけではなく、コミュニケーションの場となっており、相互の信頼関係が築かれ、制度の活性化につながっています。

→関連リンク: 
「事例-全団体を取材し市のHPに掲載~アダプト活動をPR(美濃加茂市)」(リンク)

○ 参考例-「登録解除」(大阪府)

大阪府の場合、関係が途絶えている団体を出来るだけなくそうということで、連絡・確認を入れるように心掛け、出来るだけ職員も出向いていく。幽霊(部員)の場合、責めるつもりはないのですが、登録解除というケースもあります。

回答:大阪府都市整備部道路環境課(アダプト・シンポジウム2009)

■ 参加してくれた思いを大事に

制度を運営するにあたり、活動を促すことや、最終的に登録解除することもやむを得ないことです。しかし「幽霊部員」「里親の置き去り」になってしまったことを責めるのではなく、「まちをきれいにしたい」という思いを持って申し込みをしてくれた、活動をしてくれたことに敬意を払い対応することが大切です。

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(2) 団体メンバーの高齢化

■ 活動継続の励みとなる機会を創出する

○ 参考例-香川県

構成員が高齢化し、活動継続の励みとなる機会創出が最大の課題となっている。これの対応のため以下を実施している。

・広報を充実させ、活動に関するマスコミ掲載の機会を増やすこと
・表彰制度を充実させ、活動意欲を持続していただくことが重要
・意見交換会で出された意見に可能な限り対応し、団体との信頼関係を強める

回答:香川県道路課(アダプト・シンポジウム2011より)

■若い人たちを巻き込む

・地元スポーツチーム(野球、サッカー、バスケットボールなど)の試合を絡める
・お祭りやイベント開催時にごみ袋を配布する
・地域によっては中学校の内申書に美化活動参加有無が入っている自治体もあります

○ 事例ー青少年のアダプト活動を応援(広島県)

活動団体を対象にアンケートを実施。その中で「活動を行う上で課題となっていることはありますか?」 と質問したところ、最大の課題は「メンバーの高齢化」でした。「高齢のメンバーばかりで、参加者確保が難しい」「高齢が原因で活動に参加できなくなる人が増え、どんどん参加メンバーが減っている」という切実な声が寄せられました。高齢化を解消するためには、若い活動会員の確保が必要不可欠です。若者に参加してもらうには、青少年に「アダプト活動に参加することの意義・楽しさ」を知ってもらう必要があります。そこで、現在頑張っている青少年の活動団体を応援する、コンテストを開催することになりました。

→関連リンク: 事例-青少年のアダプト活動を応援(広島県)

○ 事例-高校生を中心に清掃活動を「コミュニケーションツール」として活用(NPOサプライズ・静岡県伊豆市)

「NPOサプライズでは 伊豆市若者交流施設9izuを中心とし清掃活動を「コミュニケーションツー ル」として活用。2011年より高校生を中心とした横展開を実施。生徒会の部活へと発展した活動は 地元の伊豆総合高校や三島南高校を軸として伊豆箱根鉄 道沿線の高校へ波及しています。現在34ヶ月連続の活動として継続中。高校生サミットなども開催され10年後の伊豆を担う人材の育成に励んでいます 」

→関連リンク: NPOサプライズホームページ(外部リンク)

■ 高齢化であることを生かす

・高齢化だからこそ「アダプト・プログラム」を導入する

定期的な清掃活動は、地域に貢献するという”やりがい”、家から外へ出るきっかけとなったり、井戸端会議の場となったり、というような”楽しみ”、またそこで「○○さんは今日来ないけど大丈夫かしら?」といった”気づき”など、高齢化が進んでいるからこ そ「アダプト・プログラム」を導入するメリットがあります。

・高齢者の活躍の場として

定年後の活躍の場としてアダプトに参加される方も多くいます。清掃活動をすることで社会的責任を果たしたり、アダプト・プログラムを通じて地域に入るきっかけにもなります。

○ 参考例-「アドプト・ロード・金岡東第五住宅自治会」(大阪府)

世帯数:669世帯、平均年齢:70歳超、自治会加入率:100%(平成26年12月現在)

住民の超高齢化が進み、更に平均年齢が上がる中、エレベーターのない5階建ての住宅においてこもりがちになる高齢者のコミュニティ希薄化を阻止する目的で様々な活動を実施しています。

・美化防犯活動(清掃活動):原則毎日、美化防犯活動として、ごみひろい、収集ごみのカウント及び記録を実施。
・フラワーファクトリー(花工房):アドプトの花植えの経費削減のために、種から花苗を育てる活動を平成17年から実施。大阪府内の他のアドプト団体へも無償提供して交流しています。

その他、ひとり暮らしの方を対象に、「安心ネット昼食会」(21年前から継続実施)や小学生の見守り(あいさつ運動、青色パトロール)等を実施しています。

「笑働OSAKA」ホームページで活動がご紹介されています。
→関連リンク:
鳳土木事務所から、 日本アルコール産業株式会社の想いをお届けしました。(笑働OSAKA・外部リンク)

→関連リンク:
自治会ニュースをご紹介します(金岡東第五住宅自治会)(笑働OSAKA・外部リンク)

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(3) 自発性を引き出す仕組

アダプト・プログラムをはじめ、ボランティア活動においては自発的に活動を行うことがポイントになりますが、長期的に活動を続けるにつれてマンネリ化するなど、多くの自治体において問題に掲げています。

ここでは活動団体が長期的に自発的に活動するためのアイデアをご紹介します。

  • ・活動頻度が多い場合、毎回、全員参加とすると継続が難しくなるので、個人の負担を軽減するため少人数(1~2名)のローテションを組む
  • ・定期的な懇親会・交流会などの”お楽しみ”要素を用意する
  • ・表彰などを実施しモチベーションを上げてもらう
  • ・目標を設定し、自己の成長、社会のためといった”やりがい”を訴求する
 

自治体では定期的な異動があり長期的なフォローアップができないことから、中間支援組織(NPO)が人材育成などを行っているところもあります。

→関連リンク: 「中間支援組織」(リンク)

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